新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「井手君、好きになってくれてありがとう。……だけどごめんなさい、井手君の気持ちに答えることはできないの。私、ジョージさんのことが好きで、この先もずっとこの気持ちは変わらない自信があるから」

「うん」

 相槌を打ちながら、私の話に耳を傾ける井手君に伝えていく。

「でもさっき井手君が言ってくれたように、これからもずっと同期として切磋琢磨していきたい。……いいかな?」

 都合のいいことだとわかっている。だけど井手君とこれまでのような関係でいたい。

 その思いで聞くと、井手君はニッと白い歯を覗かせた。

「当然だろ? これからも同期としてよろしく頼むよ。……ありがとうな、ちゃんと川端さんの気持ちを聞かせてくれて。しっかり振ってくれてすっきりした!」

 笑顔で言うと井手君は人差し指を立てた。

「それにほら、まだ気持ちは浅いからさ。少ししたらすっぱり忘れられると思う。先輩たちに合コンを開いてもらって、すぐ新しい恋を見つけてみせるさ! そのときは相談に乗ってくれよ?」

「……うん」

 井手君の優しくて明るい心に救われるよ。
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