新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 胸がいっぱいになる。

「じゃそのときは頼るね」

「おう、どんとこい」

 自信満々に自分の胸元を叩く井手君に笑ってしまった。

 その後は仕事の話をしたり、私が『ジョージさん』と呼んでいることをからかわれたり。

 終始話が止まらず、楽しい時間を過ごした。



「よかったな、井手にちゃんと話をすることができて」

「はい」

 この日の夜。大家さんたちと食事をとった後に彼の部屋に移動し、今日のことを話していたわけだけど……。

「あの、ジョージさん」

「ん? どうした?」

 甘い声で囁かれ、現状が現状なだけに恥ずかしくなる。

「どうしたじゃありません。これ、ものすごく恥ずかしいのですが」

「そうか? 俺は落ち着くけど」

「私は落ち着きません!」

 部屋に入ると、ジョージさんはソファに腰を下ろすと私を手招きした。

 普通に隣に座ろうとすると止められ、彼の膝の上に座るよう言われたのだ。

 私の抵抗虚しく抱き寄せられて、そのままジョージさんの膝の上に座らされ……。思いの外距離が近くて落ち着かない。

 微動だにできない中、ジョージさんはしみじみと話し出した。
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