新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「近辺ではいつ会社の人に見られるかわからないから、ゆっくりできないだろ? だから涼と人目を気にせず、のんびり過ごしたい。それに、涼にとって初めての大きな仕事を終えたお疲れ会もしてやりたいんだ」

「ジョージさん……」

 恥ずかしい。勝手に変な想像をしていた自分が。ジョージさんは私との時間を大切にしてくれようとしているのに。

「ありがとうございます、ジョージさん。……私も旅行、行きたいです。ジョージさんと手を繋いで散策したり、おいしいものを食べたりしたい」

 普通の恋人がするようなことを、これから先たくさんしていきたい。

「じゃあ約束」

 そう言うとジョージさんは私の小指に、自分の小指を絡ませた。

「お互いの仕事が落ち着いたら旅行しよう。そこで思いっきりデートをしよう」

「……はい!」

 指切りをすると、どちらからともなく笑ってしまう。

 楽しみだな、旅行。

「ジョージさん、どこに行きましょうか? やっぱり温泉街がいいですかね」

「そうだな。ゆっくり散策もできるし温泉地にしようか。旅館はちゃんと露天風呂付の部屋を予約しないとな」

「えっ?」

 ドキッとして彼を見れば、にっこり微笑んだ。
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