新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「今日、会社で井手との距離が近すぎなかったか?」

 帰宅するなり不機嫌そうに言うジョージさん。

「そうでしょうか? 普通だと思いますけど」

「いいや、普通じゃない。これくらい近かっただろ?」

 そう言って玄関先でジョージさんは私を抱きしめた。

 ジョージさんは意外と嫉妬深いことを、最近になって知った。だけどこの独占欲がたまらなく心地よい。

「あ、そうだ。ジョージさん、大家さんから新作が届きましたよ」

「本当か?」

「はい」

 私たちをモデルにした大家さんの新作を、ずっと心待ちにしていた。

 発売日の前日に届けてもらえてありがたい。

 ちゃんと私とジョージさんに一冊ずつ送ってくれたので、さっそく私たちは夕食後に目を通した。……が。

「な、なんだこれは……っ!」

 ジョージさんは本を読んでワナワナと身体を震わせた。

 それもそのはず。物語は私とジョージさんのこれまでのストーリーが詳細に書かれていたのだから。

 どうやら告白現場を盗み見されていたようで、ジョージさんが言ってくれた言葉もそのまま。

「陸のやつ……! 文句を言ってくる」

 恥ずかしさと怒りが収まらないのか、ジョージさんは大家さんに電話をかけた。
< 274 / 277 >

この作品をシェア

pagetop