新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「間違いなくあいつも涼ちゃんのことを気に入っているよ。涼ちゃんに『ジョージさん』って呼ばれて、嬉しそうだったし」

「顔がにやけていたよね」

 えっ、えっ? えっ!? ふたりが話していることは本当なのだろうか。

 そんなことを言われちゃったら、自分にとって都合の良いように解釈し、願ってしまう。
 もしかしたらこの気持ちは、報われないものではないのかもしれないと。

「もちろん恋愛はふたりの気持ち次第だけど、私と陸は全力で応援しているからね!」

「俺たちの幸せがあるのはあいつのおかげだからな。ジョージには、親友として誰よりも一番に幸せになってほしいんだ」

「本当にジョージがいなかったら、私たちは出会えなかったものね」

 きっと、ジョージさんがいなければ大家さんと金子さんは、出会うことはなかった。
 ふたりにとってジョージさんは、キューピットだ。

「たとえ私との婚約が解消されても、おそらくジョージには、次の相手がすぐに用意されるはず。アラカワ製菓の次期後継者という重圧もすごいと思う」
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