新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「そうだ、肝心なことを言い忘れるところだった! ジョージ、ちょっと場所変えようか」

「あぁ、そうだな」

 口々にそう言うふたりについていくと、近くの資料室に入った。すると金子さんはさっそく本題に入る。

「ごめんね、涼ちゃん。今夜、陸と食事をしてきてもいいかな?」

 どんなことを言われるのかとドキドキしていたから、拍子抜けしてしまう。

 えっと、つまりデートしてくるってことだよね?

「も、もちろんですよ! どうぞ行ってきてください」

 私の許可取りなどいりません!

「ありがとう。じゃあそういうことでジョージ、涼ちゃんのことは頼んだわよ」

 突然ジョージさんに話しを振る金子さん。頭の中にはハテナマークが並ぶ。

 えっ? どういうこと? 私のことを頼むって。

「わかってるよ。こっちはこっちで楽しむから、陸と久しぶりにゆっくり過ごしてこい」

「うん!」

 完全に私は置いてけぼり状態だ。ふたりはいったいなんの話をしているの?

 状況を理解できずにいると、金子さんはニマニマ顔で私を見る。

「涼ちゃん、今夜はジョージが手料理を振る舞ってくれるって」

「大したものは作れないけどな」

 ジョ、ジョージさんが手料理を振る舞ってくれる!?
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