新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 一気に注目を集め、ヒー!! となる。

 急いで駆け寄り、声を潜めた。

「大丈夫ですか? 会社で三人一緒にいるところを見られて、他の人の変に思われないでしょうか?」

 心配になり聞くと、金子さんは目を瞬かせた。

「変に思われないかって……。やだ、涼ちゃんってば気にしすぎ」

 そう言って笑うと、金子さんもまた声を潜めた。

「大丈夫。だって私は涼ちゃんの教育係で、ジョージは私たちの上司なんだから」

「でもさっきからやたらと視線を感じるのですが」

 ヒシヒシと感じる視線は、非常に居心地が悪い。
 すると今度はジョージさんがボソッと言った。

「これはいつものことだ」

 えっ、いつものこと? こんな風に見られているのが?

「そうそう。これが日常なの。私も最初はびっくりしたよ。婚約していることが会社に知られてから、ジョージと仕事の話をするだけでジロジロ見られてさ」

 そうなんだ。……でも私もさっき、ジョージさんと金子さんがふたりでいるところを目にしたら、立ち止まって見ていたよね。

 人の視線がこんなにも居心地の悪いものなんだ。……これからは気をつけよう。

 反省していると、金子さんはハッとする。
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