クールな王子は強引に溺愛する
そう答えておいてエミリーに口付けを落とす。それは甘く深く妖艶な夜の始まりを予感させるキス。
それなのに、リアムは長椅子から立ち上がり服装を正している。
「このあと領民の皆との会食がある」
「意地悪、ですわ」
「ん?」
リアムの引き締まった体は軍服を身に纏い、何者も寄せ付けない隙のない風貌で佇む。それなのに、エミリーの言葉に反応し、向けられた表情だけは甘い。
長い脚は、一歩近づくだけで簡単に開いた距離を詰め、髪をひとすじ指ですくいその髪にキスを落とす。
細められた目は愛に溢れ、エミリーの心を掴んで離さない。手を伸ばしリアムの首に抱きつこうとしたところで、痺れを切らしたグレイソンのノックが再び部屋に響く。