クールな王子は強引に溺愛する
「私もリアム様と」
唇を塞がれ、続けられない言葉を飲み込み唇を離したリアムを上目遣いで見上げる。
「明日の式典に出られなくなる。可愛らしい発言は控えてくれ」
顔を熱くさせ、胸元に顔を埋める。
「予定よりも眠るのが遅くなった。本気で明日の式典に出られなければ、理由が理由だ。後々まで笑い種だぞ」
片眉を上げ、どこか楽しげなリアムに、エミリーはむくれて言う。
「リアム様がこんなにも意地悪だったなんて」
「愛想が尽きたか?」
そうだとは微塵も思っていなさそうなリアムが、試すような声色で聞いてくる。
「そんな風に、簡単に嫌いになれたら苦労しませんわ」
プイッと顔を背けると、ククッと喉を鳴らしながら頬に唇を寄せる。その触れ方が綿毛が触れるように優しくて、心から狡いと思った。
「眠ろう。我が妻は愛らしい。起きていると、際限なく襲ってしまいそうだ」
どこまで本気かわからない呟きを聞きながら、目を閉じる。体は気怠さに導かれ、なんなく眠りについた。