クールな王子は強引に溺愛する
「エミリーがお飾り妃などと、頼まれても無理なのだ。エミリーさえよければ、クリフォード辺境伯領でも政策に意見をしてほしい。何事にも思い切った新しい視点は必要だ」
「私は、女ですわ」
「俺は女が働くなんて。だとか、領地の政策に口を出すな。などと言う狭量な男ではないぞ」
エミリーは言葉を詰まらせながら、自虐的に言う。
「政策に口を出しといいと言ってくださっても、手腕はイマイチですわ」
「基礎は学べばいい。女の視点で気づくこともある」
望んでいた『お飾り妃』ではない立場。
「胡椒は種からは難しいらしい。苗を手に入れることが先決だろうな」
「そこまで、知っていらしたのですか?」
「いや。たまたま遠征先で知っただけだ。そもそも胡椒を育てようと無謀な真似、いやこれは失言だった」
恨めしげに睨まれ、苦笑する。