クールな王子は強引に溺愛する
蜂毒に慣れる処置は順調に施され、リアムの思惑通り穏やかで、時に刺激的な仲睦まじい時間を過ごす。
「夢なのでは……とたまに思いますわ」
「どうした」
エミリーは故郷エストレリアから届いた手紙を手にしたまま、しみじみと話し出す。
「私はなんとかエストレリア伯爵家が没落しないようにと、つつましくも懸命に過ごしていました。それなのに、ブライアンが乗馬の試験で優をいただいたそうです」
まだ会えていない義理弟の可愛らしい乗馬姿を想像して、顔を緩ませる。
「弟の乗馬と没落の話が、俺の中ではつながらないのだが?」
「リアム様が乗馬と剣の腕前が素晴らしいと知り、すっかりやる気になったのだそうですわ」
遠くを見つめ、その先に弟を見ているのだろう。姉の顔になったエミリーが、姿勢を正し真剣な表情をさせる。