クールな王子は強引に溺愛する

「何度申しても足りないですわ。救っていただいて本当にありがとうございます。リアム様が現れなかったら私たちは……」

 リアムはフッと息を吐くように笑う。

「エミリーの弟だ。例え困難があったとしても、自分で切り開いたであろうな。さぞ立派な騎士になるだろう」

「そうでしょうか。将来が楽しみですわ」

 穏やかな表情をさせるエミリーに、何度口にしても足りない想いを告げる。

「決して手離したりしない。いつまでも変わらず愛し守り抜くと誓う。だからずっと俺の隣で微笑んでいてくれ」

「ええ。私でよろしければ」

 控えめな返事をして、頬を染める。エミリーは自分にしかできない形で、リアムを愛していこうと決め、心からの笑顔が溢れさせた。

Fin.
< 266 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop