クールな王子は強引に溺愛する
「それから、ここ」
部屋の中ほどにある扉に手をかけたリアムが、その持ち手を押した。
衣装部屋かなにかと思っていたその扉の向こうには、今見ていた部屋よりも広い空間が広がっていた。
「ここは?」
長椅子とテーブルが置かれた寛ぎの空間の上には、窓からの光を浴びたシャンデリアが上品に煌めいている。暖炉もあり、冬は暖かいだろう。
それよりも目を引くのは、奥にある大きなベッド。先ほどのベッドの天蓋はふんわりとした透け感のある可愛らしいものだったが、こちらにはまるでカーテンのような厚手の生地がかかっている。
それが今は開けられていて、枕やクッションがいくつも並べられているのが見えた。
「俺の、というよりも二人の閨だ」
リアムに閨と言われると何故だかいけない会話をしている気になって、顔が熱くなる。
頬を押さえ、顔を隠すエミリーにリアムは淡々と必要事項を伝えていく。
「長旅で疲れているところ申し訳ないが、俺は仕事の報告がまだ残っている。ひとりで出歩かないのであれば城を探索してもらって構わない」
「は、はい」
そう言うとリアムは部屋を出て行ってしまった。