ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
その鋭さに思わず息をのみ、焦りからロザンナの反論の声も小さくなる。
「そ、そんなことはありません。わからなかっただけです」
「そうですか。それなら私の教え方が悪かったのでしょう。一週間、責任を持っておさらいをさせていただきます」
「お待ちください!」
ロザンナの声はもう届かない。メロディ先生は踵を返し、さっさと寮を出て行った。
「あぁ。どうしてこんなことに」
平均より少し上を目指すべきだったかと頭を抱えたロザンナの肩にルイーズが手を乗せ、「頑張ってね」と苦笑いした。
少しはのんびりできると思っていたのに忙しさは変わりなく、あっという間に一週間が過ぎていく。
そして最終日。再びロザンナはどうしてこうなったと自室で頭を抱えていた。
身に纏っているのは、二日前に父から届いた水色のドレス。化粧もし髪も綺麗に結い上げた自分を鏡を通して見て、またうなだれる。
これからパーティーが行われるのだが、最初のダンスの相手としてアルベルトから指名されてしまったのだ。
本来なら、指名されるのは一番の成績だったマリンのはずで、ロザンナはふたりの息の合ったダンスに惜しみない拍手を送るつもりでいた。