ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
アルベルト様は何を考えているのだろうかと、ロザンナは顎に手を当て頭を悩ませる。
拗ねられても面倒くさいだけ。仮に父の前でそんな態度をとられたらもっと……。そこでロザンナはハッとし、じろりと彼が出ていった扉を睨み付ける。
「わかったわ。困った私を見て笑いたいのね。本当に意地悪! 今まで優しくて素敵な人だって思ってたのに、見事に騙されたわ」
おそらく次会うのは、彼がエストリーナ邸に回復薬の失敗作を回収しに来る時。
こうなったらいつ来ても良いように髪飾りを毎日つけてやる。思い通りにはさせないんだからと、ロザンナは拳を握りしめた。
そんな風に息巻いたものの、すぐにやってくるだろうと思っていた姿は、ロザンナの前になかなか現れなかった。
きっと忙しいのねと頭の片隅で思いながらも勉強やら診療所通いで忙しく、あっという間にまた半年が過ぎていく。
試験管立てを戸棚に戻そうとして、ロザンナは動きを止めた。静かに背後を振り返り見ても、やっぱりそこにアルベルトはいない。
これまでは彼はどうしているのだろうと思いを巡らす程度だったが、一昨日、十四歳の誕生日を迎えた途端心境が変化した。