ヒミツの恋をはじめよう
仲睦まじい二人の姿を見た後、彼女は彼と付き合っているのだろうかと、三日経った今でもあの光景が頭から離れない。
「はあ」
彼女が会社の飲み会だから付き合えと、出張帰りで恭司に呼び出された俺は、ジョッキを片手に嘆息する。
「やめろよ、酒が不味くなる」
「親友が落ち込んでるのに、何かあったかくらい聞けよ」
恭司は面倒臭いと言いたげな表情をしながら、目の前にある枝豆に手を伸ばす。
「どうせ彼女のことだろ。さっさと告白して玉砕してこい」
「なんで玉砕されるって確定なんだよ!望みはあるかもしれないだろ?」
「そう思うなら告白したらいいんじゃないか?」
今度は楽しそうに笑いながらそう告げる恭司を横目で見て、再び溜息が漏れた。
「そんなに彼女のことが好きなのか?碌に話したこともないのに」
「・・・」
確かに彼女と話したのは一度きり。それもたったの数分。
彼女のどこを好きなのか、どうして彼女ではなければいけないのか、と考えてはみたものの、明確な理由が見つからない。一目惚れなのだから見た目が好きなのかと考えるも、どちらかというと俺は一般的に奇麗と表現される人よりも可愛い人が好きであり、好きなタイプとは一致しない。
「理屈じゃないんだよな」
自然と出た答えだった。
“好きになるのに理由はいらない”という言葉はよく聞くが、まさか自分がそうなるとは思ってもみなかった。
「まあ頑張れよ。俺はお前よりも彼女を応援するから」
「ひどいな」
「そういっても、お前は俺の力なんか借りるつもりもないだろ?」
「今に見てろよ」
俺の言葉を聞いて、恭司がふはっと吹き出した。
景気づけにビールを一気に飲み干し、空になったジョッキをドンとテーブルに置くと同時に、恭司が何かを呟いた。
「お前ならさっちゃんを救えるかもな」
「なんだよ」
聞こえないと首を傾げて訴えるも、恭司は首を横に振って「なんでもない」と言った瞳が、いつも以上に優しい気がした。
「はあ」
彼女が会社の飲み会だから付き合えと、出張帰りで恭司に呼び出された俺は、ジョッキを片手に嘆息する。
「やめろよ、酒が不味くなる」
「親友が落ち込んでるのに、何かあったかくらい聞けよ」
恭司は面倒臭いと言いたげな表情をしながら、目の前にある枝豆に手を伸ばす。
「どうせ彼女のことだろ。さっさと告白して玉砕してこい」
「なんで玉砕されるって確定なんだよ!望みはあるかもしれないだろ?」
「そう思うなら告白したらいいんじゃないか?」
今度は楽しそうに笑いながらそう告げる恭司を横目で見て、再び溜息が漏れた。
「そんなに彼女のことが好きなのか?碌に話したこともないのに」
「・・・」
確かに彼女と話したのは一度きり。それもたったの数分。
彼女のどこを好きなのか、どうして彼女ではなければいけないのか、と考えてはみたものの、明確な理由が見つからない。一目惚れなのだから見た目が好きなのかと考えるも、どちらかというと俺は一般的に奇麗と表現される人よりも可愛い人が好きであり、好きなタイプとは一致しない。
「理屈じゃないんだよな」
自然と出た答えだった。
“好きになるのに理由はいらない”という言葉はよく聞くが、まさか自分がそうなるとは思ってもみなかった。
「まあ頑張れよ。俺はお前よりも彼女を応援するから」
「ひどいな」
「そういっても、お前は俺の力なんか借りるつもりもないだろ?」
「今に見てろよ」
俺の言葉を聞いて、恭司がふはっと吹き出した。
景気づけにビールを一気に飲み干し、空になったジョッキをドンとテーブルに置くと同時に、恭司が何かを呟いた。
「お前ならさっちゃんを救えるかもな」
「なんだよ」
聞こえないと首を傾げて訴えるも、恭司は首を横に振って「なんでもない」と言った瞳が、いつも以上に優しい気がした。