透明な世界で、ただひとつ。
これだけ、のんびりと会話をしたのはいつ以来だろう。
「...瑞希。その指輪って」
「堺にもらったの。
あ、ごめん。なんか。」
柚香にあれだけ止められたのに、こうやってまだ一緒にいることを伝えてしまったことを、言ってから後悔した。
「いいの。
瑞希の鞄が裏庭の池に捨てられそうになった時のこと、屋上から見てたから。
あいつがいい奴なのは知ってる。
あー、でもちょっとムカつく。
妹の私を差し置いて、瑞希の目のこと知ってるのとか、私のネックレスよりいいものあげてるとことか。」
「ゆ、柚香?」
突然、堺への対抗心をむき出しにした柚香に思わず戸惑う。
「ま、それはいいや。瑞希は私の姉ちゃんだもんな。
そう言えば、部屋のもの減ったね。」
「あぁ、引越そうかと思って。」
「へ?ちょっと説明して。」