大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
不運な日直
不運な日直


放課後の日直の仕事は多い。

6限の黒板を消す、黒板消しの掃除、机椅子の整頓、花の水やり、日誌…とか。


テスト直前に日直というだけでも不運なのに、その中でも今日のアイツは特に不運で、アイツの苦手な数学のテスト前かつ、雑用を頼まれて集めたプリントを先生のところに持っていっていた。


今は、自分の机で机で必死に日誌を書いている。

そんな後ろ姿を見て、俺の家で勉強会をした日のことを思い出す。


アイツ…兄貴と何かあるんだろうか。


勉強会の日に兄貴と喋っていた清華はいつにもなくソワソワしていたから、帰り際にそのことを聞こうかとも思ったが、何故か言葉が出てこなかった。

その後も兄貴と清華が会っていたことは兄貴から聞いた。

兄貴は話をしただけだって言っていたけれど、ただ仲が良いだけだとは思えない。


まぁ…俺には関係ないことだけど。


アイツは日誌を書き終わったのか席を立ち上がる。
< 76 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop