クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 ライアンから聞かされた言葉の中で、私はお祖母様の出自より、その人柄より、もっと気になったことがあった。
「待って、ライアン。あなたはなにかにアレルギーを持っているの!? 私が知らずにアレルギーの原因を持ち込みでもしたら大事だわ! なにより妻となる私には、夫であるあなたのことを知っておく責任があるわ、詳しく教えてちょうだい!」
 ライアンはこれに苦虫を噛み潰したような顔で、幾度か唇を開きかけ、また結んでを繰り返した。
 彼がこんなにも言い淀むアレルギー。果たしてそれはどれほど深刻で、かつ重篤なものなのか。
 彼の言葉を待つ私の胸は、押し潰されそうに苦しかった。
 ――コンッ、コンッ。
「失礼いたします。食堂に夕食の用意が整いました」
 その時、扉が叩かれて廊下から侍女頭の声が掛かった。
「エミリー、中に入ってくれ」
「は、はい。では、失礼いたします」
 何故かライアンは侍女頭のエミリーを室内に招き入れた。
「ライアン様、なにか御用でございますか?」
「こちらに手を出してくれ」
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