クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 な、なんだ!? この、けしからん可愛らしさは――っ!? バクバクと断末魔の悲鳴のように打ち付ける心臓を抑えつけ、彼女の続く台詞を待った。
「私に教えてちょうだい?」
 ァガッッ! さくらんぼの唇がこぼした一語が、俺の胸と紳士にクリティカルヒットする。
 ぁ、あ、ぁあぁぁああぁあ――っ!
 やめてくれ! 無防備に紳士の気を引く行為は危険だ! 一歩まかり間違えば紳士が荒らぶるマフィアのボスになって、手取り足取りの直接指導に乗り出す事態になるぞ!?
「教えるとはなんのことだ?」
 荒らぶるもろもろをひた隠し、理性を寄せ集めた仮面を被って尋ねる。しかし、この理性の仮面はいつ破れてもおかしくない継ぎ接ぎだらけ。
 さらに股間の紳士に至っては臨戦態勢で準備は万た……っ、いや! 待て、待つんだ紳士!
 お前が日の目を見るのは、彼女の真意を確認してからでなければいかん――っ! と、こんな感じでこの時、俺の脳内リングでは、もんもんもやもやと理性が一進一退の激戦を繰り広げていた。
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