クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「では、私は先にお屋敷に帰らせてもらいます。だけど、あなたの帰りを待っています。旦那様の帰りを、いつまでだって起きて待っていますから」
 私の答えに、ライアンは目を瞠り、次いでスッと細くした。
「……マリア。屋敷に帰ったら君にお願いがあるんだ」
「お願い、ですか?」
 私がキョトンとして反復すれば、ライアンの美貌が迫り、額と額がコツンとくっ付いた。
「君という妻を得て、俺はとんでもなく幸せだ。だが、君の協力で俺はもっと幸せになれる。それを、君にお願いしてもいいだろうか?」
 彼が甘やかな声音で乞う。私の協力でライアンがもっと幸せになれるなら、こんなに嬉しいことはない!
「もちろん、なんでも協力しますよ!」
 私の答えに、ライアンはとろけるように笑う。見つめ合う彼の瞳に、内側から焼かれてしまうような錯覚が浮かんだ。
「では今夜、約束だ……」
「はい!」
 まろやかなその微笑みが、なぜか私を内側から熱くして、ぞくぞくと落ち着かなくさせる。
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