クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「ライアン! 愛してます! 私を奥様にしてくれてありがとう! どうかこれからも、よろしくお願いします!」
「もちろんだ。俺の妻は君以外にいない」
 私たちは固く抱き合って、同じ喜びを分かち合うこの瞬間の至福を噛みしめた。
「あ、あの。騎士団長――」
 ライアンと温もりを分け合って、どのくらい経っただろう。
「見てわからんのか!? いいところなんだ、火事の後始末はお前の裁量でどうとでもしておいてくれ!」
 消火にあたった部隊の隊長と思しき騎士からの声掛けに、ライアンはつっけんどんな答えを返す。耳にした私は、そっとライアンの胸を押した。
「……マリア?」
「どうか行ってください。きっと皆さんが、あなたの指示を待っていますから」
「チッ」
 ライアンから舌打ちのような音があがった気がしたが、たぶん私の聞き間違いだろう。
「すぐに行くから少し待て!」
 ライアンは隊長に向かって素気無く告げると、再び私に向き直る。
「俺は一旦騎士団に合流する。君は屋敷に戻って、先に休んでいてくれ」
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