クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 俺の唐突な物言いに、マリアがキョトンとした顔をする。そんな彼女の一挙手一投足、一言一句も、彼女を彩る全てが宝物のように大切で、狂しいほどに尊い……。
「君のその、柔らかで優しい思考が愛おしい」
「っ!」
 マリアの頬に朱がのぼる。気恥ずかしそうに俯いて、伏し目がちになった瞼にそっと口付ける。
 啄むようなそれに、マリアがピクリと反応し、長い睫毛を震わせた。そうして彼女がゆっくりと瞼を開き、アメジストの宝石が現れる。
 輝く双対を目にした瞬間、極限まで高まった愛おしさが理性の鎧を突き抜けた。
 ガォオオオ――ンッ!! 体中がカッカと熱を帯び、獣スイッチまでもが勝手にオンになった。
 俺は荒らぶる野生に衝き動かされ、マリアにガバッと覆い被さった。
「きゃっ!?」
 今こそ、俺は告げる! そうして、ずっと正座待機させていた紳士に、本懐を遂げさせてやるのだ――!
「マリア……、俺はもう限界だ」
 決意と共に口を開いた。
「先ほどの願いを――」
「大丈夫よ、わかっているわ」
 ん!?
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