クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 ところが俺がみなまで告げる前、何故かマリアが「わかっている」と遮った。
 これはいったい……ハッ! まさか、俺と彼女は以心伝心なのか!?
 修道院で清く正しく育ってきたマリアには、男女間のあんなことやこんなことの知識がない。それでも彼女は、俺への愛ゆえに察したのか!?
 俺のもんもんもやもやを本能的に察し、紳士からのめくるめくエスコ―トに応えようというのか――!
「夫婦だもの。あなたのことは誰よりもわかっている。あなたが限界にあることくらい、想像がつくわ」
「まさか君が声にせぬ俺の思いを察してくれようとは! 嬉しいぞマリア!」
 クワッと牙を剥いた口端から滴るヨダレをジュルリと啜り、俺は逸る思いで彼女の柔肌にかぶり……ん?
「エドワード! エドワードはいるかしら!?」
 な!? 何故ここでエドワードを呼ぶのだ!?
 廊下の方向に向かいマリアが声を張るのを、驚愕と絶望の入り混じる思いで見つめた。
「奥様、どういたしました!?」
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