クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「虫取りの作業に真面目に取り組む者は少ないということです。望んで虫に触りたいと思う子なんていませんから。特に今日の当番にあたっていたドリーたちは、その最たるで、なんとか虫に触らずに時間をやり過ごそうと一生懸命で」
「なんてことだ、それで君が彼女らの代わりに虫を取っているのか!? この状況はさすがによくない。上長に報告をあげ、適正な指導を入れた方がいい。いや、そうするべきだ!」
「ありがとうございます。きっと、それが正解なのだと思います。だけど私は、叱責されて無理矢理やらされる状況というのは、あまりよくないと思うんです。……ところで、ライアンはブルノージュ島のブドウの美味しさの秘訣はなんだと思いますか?」
 いきなりの話題の転換を訝しみつつも、問いかけの答えを模索する。
「もちろん、気候や風土、色々な条件があるんだろうが……。一番は農薬の使用量を抑え、手間暇かけた栽培方法だろうか?」
「素晴らしいです。きっと、それが正解ですね」
 僅かな逡巡の後で答えれば、彼女が少しばかり不可解な答えを寄越した。
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