クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「……なぁマリア。情けないが、俺は君がなにを思って泣いているのか、皆目見当がつかんのだ。だが、君の不安も悩みも全て、俺が取り払ってやる。俺が君の、力になる。なに、俺は稼ぎだけはあるからな。たとえば金銭的な援助や支援、なんなら本土の俺のところに来てくれてもいい。そうだ、いっそのことこのまま俺の嫁になればいいさ!」
 ……っ! 俺はいったい、なにを言っているんだ!?
 俺自身、彼女の涙を前に困惑していたのだろう。突拍子なく口走り、しかし途中で思い直して青くなった。
「ぜひ、お願いしたいです」
 な!? ところが、当の彼女から返されたのは、想定外の答えだった。さらにここから、事態は想像を遥かに越える方向に進んでいくことになるのだが、この時の俺はまだ思いもしなかった――。

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