Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜

「あ、そうなの?ありがとう、かほ!」

 そう言いながら抱きついてくる美鈴。でも、ギターには当たらないように気遣ってくれている。そんな些細な気遣いが美鈴らしい。

「美鈴、ブレザー似合ってるね。」

 美鈴も私と同じ高校に今日から入学する。だから美鈴も私と同じ制服を身につけている。私にはまだ馴染まない制服も、美鈴はあっさりと着こなしていた。

 黒髪の綺麗なロングヘアに大人っぽく且つ女性らしい整った顔立ちの美鈴。

「ほんと?ありがとう。かほに言われると嬉しい!それにやっとセーラー服から解放されたし気分がいいよ。」

 中学生時代の制服であるセーラーも美鈴は着こなしていたと思う。けれど、美鈴はセーラーが嫌だったらしくよく愚痴っていた。そもそも美鈴はかわいい系統の服をあまり好まないらしく、私服もパーカーにデニムといったカジュアルな服装が多い。

「それより、かほ、私朝ごはん作ってきたの。重かったから勝手にキッチンに置かせてもらってるね。」

「重いって、何をどれだけの量持ってきたの?」

「ん?カレーだよ!かほの好きな甘口カレー!鍋ごとそのまま持ってきたから重かったの!」

「朝からカレー?」

「うん。べつにいいじゃん!カレー美味しいよ?森山家秘伝の特製カレーだよ?かほ、私がこないと朝ごはん食べないから一緒なら食べてくれるかなって思って持ってきたんだけど…。」

 少し拗ねたように話す美鈴。

 私の住む家はごく普通の一軒家。そこで今はほとんど一人暮らしの状態だ。幼い頃、父と母が離婚し、しばらくは母と二人で住んでいたが母の転勤が決まり、何度も話し合った結果当時まだ中学生だった私だが一人でここに残ることになった。そうちゃんと離れたくない一心で駄々をこねた。
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