一生ものの恋をあなたと
そんな話を尊にしていたら、今度カラオケに行こうと誘ってくれた。

尊は歳下なのに、いつも生意気な口をきく。
物心つく前からの付き合いだから、お互い気を遣わなくていい。
弟みたいな存在だ。





この後、朝倉のお兄さんに頭を下げられたから、
蓮と何らかの話をするのだろう。
出来れば避けたいけど、約束してしまった手前、無碍に出来ない。

過去の裏切りの言い訳を今更聞かされたって
……本当に、今更なのだ。
出来れば聞きたくない。
ここで一言謝って、蓮としては前に進みたいのかもしれない。
律儀だとも言えるけど、そんなのは自分勝手なお願いだ。
こっちは聞かされたって嫌な思いをするだけ。
全然スッキリしない。

私はそこまで大人になれません。
ごめんなさい、マリア様。

誘ってくださる先生方の誰かと、新しい恋を始められていたら、少しは大人になれていたのかもしれない。
もう過去のことだよ、って、笑って話をして聞いてあげられたのかも…。

残念ながら、出かける約束をしているのは、幼馴染の尊だけだ。
私に見栄を張る嘘も…きっと言えないだろうな。




結局、どうしても蓮に思考が行ってしまう…



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