一生ものの恋をあなたと
アルバを身に纏った、同じ信者で1つ歳下の
羽田尊(はだたける)が私を探しに来た。
腕時計を見ると、入祭まで10分切ってる!
ホントにまずい!

「あ、色々生意気なこと言っちゃってごめんなさい!
私、ちょっと急ぐので!」

「愛、急げ!先行くぞ!」

尊に急かされて、私は控室へ向かった。
鈴木神父に急いで挨拶をし、アルバを纏う。
長い髪をいつものようにハーフアップにまとめる。

「ミサの進行はいつも通りだから。」

「はい。宜しくお願い致します。」

遅くなったのに、優しく話しかけてくださる鈴木神父。
私のミスで、遅刻しちゃうところだったのに、申し訳ない。

大聖堂の入り口に立つ。

『入祭の歌 神父入場』

入祭の歌が流れる中、神父様に従い、尊と2人ゆっくり入場して行く。
ミサの始まりだ。
その頃には、さっき会った男子生徒の事は、すっかり頭の中から消え去っていた。



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