一生ものの恋をあなたと
ミサが終わった後は、祭壇のお片付け。
今日は終礼には出なくていい。
これが私の役割だから。
聖歌隊メンバーが広い大聖堂の中を掃除している。
いつもの光景だ。

「愛、俺日直なの忘れてた。
先行くわ。」

尊が慌てて教室へ向かって行った。

私の方も後片付けは終了。
聖歌隊メンバーも送り出したし、教室に戻ろう。
学校行事のミサも、卒業まであと2回だ。まあ、私の場合は信者だし、卒後の進路もここから離れる事はない予定だ。
大聖堂のマリア様に一礼して扉を閉めた。

正面から外に出る。

「……い! おい!」

駐車場側で話し声。

「おい!……愛!」

え? 私?
振り向くと、男子生徒が私を呼んでいた。
あれ?
ひょっとしてさっきの⁇
大聖堂の廊下は暗くてよく見えなかったから、イマイチ自信がない。

「…私? あの、なにか?」

「……名前、愛としかわからなかったから…。」

あ、尊が呼んでたからか。

「坂上です。坂上愛。」

「……あ、あぁ。
その、さっきは……悪かったな…。」

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