一生ものの恋をあなたと
次のバス停では、一昨日も会った顔が。

「てっぺいくーん、おはようございます!」

「………」

あれ?
いつも元気な鉄平くんなのに、どうしたの?

「こら、鉄平!
愛先生に朝のご挨拶!」

「……おはようございます。」

「おはようございます!
鉄平くん、どうしたのかな?」

「……しょうへいばっかズルい。」

「…はい?」

「あー、ごめんね!  愛ちゃ…愛先生。
自分だけ幼稚園に行って、昇平は私といると思ってて、ちょっとヤキモチ妬いちゃってるの。」

あぁ、なるほど。
鉄平くんのお家は、パパの亮平くんからして、
みんなママの結衣子ちゃんにゾッコンだもんね。
男子3人で取り合いなんだよ。

藤田結衣子ちゃんは雅ちゃんの親友。
学年は結衣子ちゃんの方が2つ下だけど。
私も含めて、みんな同じピアノ教室出身で、この学園の卒業生でもある。 
結衣子ちゃんは小学部の保健室の先生で、お兄ちゃんの同僚。
旦那様は幼馴染で小児科医の亮平くんだ。

「さっきから言ってるでしょ?
昇平は今から麻衣子ばあばのとこに行くの。
お母さんはお出かけだからね?
昇平は連れて行かないよ?

あ、愛先生、そう言うわけなので、お迎えは麻衣子ばあばです。」

< 169 / 207 >

この作品をシェア

pagetop