【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 だから、遅い昼食の後、後片付けを申し出た彼女が、僕のダンガリーシャツを羽織っただけという、なんとも色っぽい姿でキッチンに立っているものだから、調子づいてしまってた僕はついついサカってしまい。

『侑李さんと一緒に過ごすのが楽しくて、侑李さんのことを帰したくなかったからだ……って、僕が言ったら、侑李さんはどうしますか?』
『どっ、どうもしないわよッ! するワケないでしょっ? あんたのことなんて大っ嫌いなんだからッ! バッカじゃないの? 意味わかんない。『業務命令』だから帰るなって言えば済むことじゃない。わざわざそんなまどろっこしいことして確認する必要ないじゃないッ! バカなの?』

 結果として、彼女の気持ちを確かめるようなことをしてしまった僕は、彼女にピシャリと冷や水を浴びせられてしまうことになった。

 そこでようやく、自分が調子づいていたことと、彼女にとって僕が『雇用主』でしかないんだということを思い知ることとなって。

 僕は『雇用主』らしく、『従業員』である彼女に、週末はこの部屋で一緒に過ごすという『業務命令』を言い渡したのだが……。

 それは、今は身体だけの関係でしかないが、彼女と時間を共有しているうちに、僕と同じように、彼女にも僕のことを好きになってもらいたい、という願いからだった。

 この時の僕は、なんとかして彼女を振り向かせたいという一心から、肝心なことを見落としてしまっていたということに、気づくような余裕なんてなかった。

 ……というよりも、この時の僕は、身体の相性が良すぎる彼女との情事に、すっかり溺れてしまっていたという方が正しいかもしれない。
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