【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 それを聞いたとたん、鬼畜は、はぁ、と盛大な溜息を吐きだして、向き合っている私にだけ聞こえるように、

「さっき話した僕の従兄です。邪魔が入ったので、後程ゆっくり話しましょう」

潜めた声でそう言うと、返事の代わりにコクンと頷いて見せた私の背後に居るだろう、今年三十一歳になる鬼畜の三つ年上だという従兄の光石(ゆずる)さんへと向き合って、私のことを恋人として紹介し始めて。

 それに倣うようにして、私も譲さんに向き合って会釈して顔を上げると。

 そこには、医者にしては少々日に焼けて浅黒い肌をした、甘いマスクの鬼畜とは違い、チョイ悪風な雰囲気をプンプン醸し出しているワイルドでちょっとチャラそうな、イケメンというよりエロメンという言葉の方がしっくりときそうな白衣を纏った、鬼畜より少し背の高い長身の男性がニコニコと愛想笑いを振りまいていた。

 初対面で失礼かもしれないけれど、私にとって、苦手な部類の人種のようだった。

「いやぁ、それにしても驚いたなぁ? まさか、隼が彼女を紹介してくれるなんてなぁ。要も結婚して子供ももうすぐ生まれるし、今度は隼の結婚式かぁ? いやぁ、おめでた続きで良かった良かった」
「……譲さん、悪いんですけど、僕たち急いでるので、今日はこれで」
「ええっ!? もう帰っちゃうの~? そんなぁ、つれないなぁ。隼も、侑李ちゃんも」
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