【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「確かに初めは、侑李さんのことを屈服させたいと思ったのは事実ですが。侑李さんが『橘』のお嬢さんだと知った時、真っ先に十五年ほど前に侑李さんとお逢いして、その時に、『YAMATO』の後継者としてチョコレートを守っていきたいって思わせてくれた侑李さんのことをなんとか助けたいって思ったんです。……とはいえ、僕も男ですから、大人になった侑李さんが僕の理想通りの、魅力的な女性だったために、少々順序が違ってしまいましたが……。僕は、本当に侑李さんのことが好きです。ですから、僕と真剣に付き合っていただけませんか?」
この言葉によって、この数日間で、鬼畜に対して抱いてしまっていた、自分がずっと気づかないフリをしてきた鬼畜への気持ちが、もう誤魔化しきれないほど膨らんでしまっているってことを思い知ることになった。けれど。
鬼畜への想いを昂ぶった感情のままに溢れさせてしまわないように、私は自分の中の平常心を必死になって掻き集めた。
いくら鬼畜と同じ想いでいるのだとしても、否、同じ想いでいるからこそ、鬼畜に一千万という大金を立て替えてもらっているという事実がある以上、『はい、そうですか』なんて、鬼畜の気持ちに応えられるはずがない。
「気持ちはありがたいのですが、あなたの気持ちには応じられません」
鬼畜に対する自分の気持ちは敢えて告げずに、鬼畜に向けて、私は、そう返すことしかできなかった。