鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
鬼畜には弱みを握られていたし、色々腹が立つことも言われたけど、一千万を立て替えてもらったことには本当に感謝している。
勿論、私のために諸々を解決しようとしてくれていることに対しても。
蔵本の話を聞いてその気持ちは一層強くなった。
同時に、鬼畜のことを想う気持ちだって一層強いものになって、もうこれ以上抑えることなんてできそうにないくらい膨れ上がってしまっている。それなのに……。
ーー先週あんなに私のことを弄んでおいて、散々甘い言葉でその気にさせて、こんなにも好きにさせておいて。今更『指一本触れたりしません』なんて、身勝手にもほどがある。
だったら、最初からあんなことしないでほしかった。そうしたら鬼畜のことなんて好きになることなんてなかっただろうし、こんな想いなんてすることなんてなかったのにーー。
私が怒ってるなんて知る由もない鬼畜は、飼い主に粗相したのを叱られたワンコみたいにシュンとした表情で力なくよろよろと起き上がって、そのままベッドから降りていこうとしている。
余計に腹が立ってしまった私はつい呼び止めてしまっていて。
「ちょっと待ちなさいよッ!」
「……へ!?」
呼び止めたのはいいが、腹が立っていたものだから、放った言葉はまるでケンカを吹っ掛けているようにしか聞こえない。