鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
呼び止められた鬼畜も何事だろうかと、面食らったような顔をして頓狂な声を放ったまま固まっちゃってるし、もう散々だ。
こんなことになってしまっているのも、一千万のことが気にかかって鬼畜への気持ちを認めることができないでいる自分の所為だって、そんなこと分かってる。
けど、さっきは突然のことだったから驚いちゃっただけで、本当はもっと触れて欲しいって思っちゃったし、触れたいって思っちゃってて。
なのに鬼畜は『指一本触れたりしません』なんていうから、なんだこんな風に思ってるのは私だけなんだ。それくらいの気持ちなんだ。そう思ったらますます腹が立ってきて、何か言わずにはいられなかったのだーー。
どうやら私は、自分の感情さえコントロールできないくらい鬼畜のことを好きになってしまっているらしい。
そんな状態だったため、話の矛先が少々可笑しな方向に向いてしまっているということにも気づいてなどいなかった。
「『へ!?』じゃないわよ。先週、散々私のことを弄んでおいて、この一週間散々甘い言葉でその気にさせておいて、こんなにも好きにさせておいて放置するなんて許さない。夢じゃなくて、生身の私でちゃんと満たしなさいよッ!」