鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

「ーーええっ!? そ、そんなに僕のことを……いやいや、そういう訳には。理性を失くして侑李さんのことを抱き潰してしまった僕がいうと説得力に欠けますが、今更って笑われても侑李さんのことを大事にしたいんです」

「またそんな調子いいこと言って。本当に好きだったら感情のコントロールなんてできなくなっちゃうんじゃないの? それができるってことはそれほど好きじゃないってことでしょ? 本当に好きなら、私みたいにもっと触れて欲しい、もっと触れたい、そう思うんじゃないの? そんなふうに思っちゃうくらい好きにさせておいて。やっぱりそういうゲームだったってこと? それを真に受けちゃったんだ。バカみたい。もうイヤ、帰るッ!」

 私のビックリ発言に驚きながらも、姿勢を崩そうとしない頑な鬼畜の態度に、鬼畜と自分との気持ちの温度差を痛感してしまった私は、勝手に自己完結させて、一刻も早くこの場から立ち去ろうとしたところで。

「ちょっ……ちょっと待ってくださいっ。誤解ですっ」

 必死な形相で、私の両肩を掴んできた鬼畜によって制止されてしまい。

「ヤダ、離してッ!」
「イヤだッ」

 鬼畜のことをめいっぱい振り払おうとするも、子供のような口調で引き止めてきた鬼畜の表情がこれまで見てきたどんなものよりも真剣だったものだから、それ以上抵抗することなんてできなくなってしまった。
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