鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 鬼畜の情熱的なキスによって身も心も蕩かされて翻弄されてしまっているうち、私はいつの間にやら一糸まとわぬあられもない姿になってしまっていて。

 涙でぼやけてしまった私の視界には、恍惚の表情を浮かべて、私の身体を穴が開くんじゃないかってくらい熱い眼差しで、じっと見下ろしている鬼畜の姿が映し出されている。

 徐々に視界が鮮明になってきて、途端に羞恥に襲われた私が胸と秘所を隠すため、両手をクロスさせ、両膝も擦りあわせるようにして閉じたところへ、鬼畜の甘やかな声音が降ってくるのだった。

「どうして隠すのですか? とても綺麗なのに。ほら、手をどかして、侑李さんの綺麗な身体を僕に見せて下さい」

 けれどもそんな言葉なんかよりも、ベッドに組み敷いた私の身体をまじまじと見下ろしてくる鬼畜の視線に、どうにも堪え切れなくて。

「……はっ、恥ずかしいからヤダッ」

 無駄だとは思いつつも、放った言葉がまさか裏目に出てしまうなんて誰が予想できただろうか。

 私の言葉を聞くや否や、あのニヤリとした厭らしい微笑を満面に綻ばせた鬼畜が、さっき私が抜き取ったばかりのネクタイを見せつけるようにして高々に掲げながら、

「なら、恥ずかしくないように、目隠しでもして差し上げましょうか? ちょうどここに僕のネクタイがありますし」

恥じらう私に、『ならいい方法がありますよ』とあたかも妙案を思いつきましたとばかりに、そんなことを言ってきて、口端を片方だけ吊り上げて見せた。
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