鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

「違います。遠慮してるとかじゃありません。侑李さんに嫌われるのが怖いからに決まってるじゃないですか。それに、侑李さんとはそんなモノ使ったりしなくても、充分満足していますから。侑李さんこそ、僕に気なんか遣わないでください」

 私に嫌われるのが怖い? 今更何言ってんのって感じ。
 
 ーー気を遣っているのは、隼の方じゃない。

 私が好きだって伝えたあの日、隼が性癖のことで躊躇してたのを全部受け入れるって言った私のこと、見損なうのもいい加減にしてほしい。

 そんなことで嫌ったりするなら、こんなこと言うはずないじゃない! なんで分かんないの?

 普通、彼女がここまで言ったら、応えてくれるもんなんじゃないの? 

 それとも、隼にとってはそれくらいの気持ちでしかないってこと?  

 どこまでも崩そうとしない頑なな隼の態度に、益々腹が立ってしょうがない。

「気なんか遣ってないしッ! 好きな人のこともっともっと知りたいって思ってるから言ってるんじゃないッ! 私のことネクタイで拘束する時、いつもより興奮してたクセに。隠したって、隼のこと好きだから分かるんだからッ! バカにしないでッ!」
「馬鹿になんてしてません」
「バカにしてるじゃないッ! 私と結婚したいとか言ったりするクセに、全部見せてくれないじゃない。隠すじゃない。それをバカにしてるって言ってんのッ! 好きなら自分のそういう面も受け入れてほしいって思うもんでしょ? それができないんなら、それだけの気持ちしかないってことじゃない。なんだ、隼の気持ちってそんなもんだったんだ?」
「どうしてそうなるんですか? 違います」

 どんどんヒートアップしていく私に対して、隼からは同じようなモノしか返っちゃこない。堂々めぐり。

 これじゃぁ埒が明かない。
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