鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
 
いつもの如く興奮しすぎてしまったらしい私は、一貫して頑なな態度を崩そうとしない隼に、とうとう我慢ならなくなってしまい。

「どこが違うって言うの? 隼のこと全部知りたいって言っても、見せてくれないじゃない。隠すじゃない。私ばっかり、そういうちっちゃなことでイチイチ不安になって、バッカみたいッ! こんなにも好きなのに。全部曝け出してもらえないのがどんなに惨めか分かる? 隼のためにしたのに、拒否られた私の気持ちが。何でもするって言ってくれたのに、嘘つきッ! もういい。今まで私のワガママに付き合ってくれて、ありがとう」

 散々、思いつくままに好き勝手にぶちまけて、自己完結させた挙げ句に、この場からも隼からも逃げ出そうとすることしかできないなんて……。

 可愛げのない女どころか、ただの我儘な子供だーー。

「ど、どういう意味ですか? まさか、別れるなんて言いませんよねッ?」
「あぁ、そっか。気が強くて胸が大きければ誰でも良かったんだ?」
「違いますッ」
「もういい、放して!」
「侑李さんは、どうしてそうやっていつも自分勝手に決めちゃうんですか?」
「どうせ可愛げがないって言いたいんでしょッ?」

 別れを仄めかすというなんとも身勝手なことをする私のことを引き止めようとしてくれてのことだろうけど、『自分勝手』、そんなこと改めて言われなくたって、分かってる。

 自分自身でそういうこと言われても仕方ない状況にしておいて。

 隼の口から可愛げがない、なんて言われたら、きっと泣いてしまうだろう。

 それが嫌で、自分で先回りして口にしただけで、泣いてしまいそうになるなんて。

 本当に我儘な子供と一緒だ。もう、ここには居たくない。

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