鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
きっと優しい隼のことだから、私の身体のことと、いくら父や兄が結婚を望んでいるとしても、順序が違ってしまってはダメだと、気遣ってくれているのだろう。
それだけじゃなく、隼のお兄さんである社長が授かり婚だったとはいえ、隼にしてみれば、自分までがそうなってしまうのは不味いという想いもあったのかもしれないが……。
それに関しては、私の配慮が欠けたのも事実だけれど、社長の時にも特に問題がある風ではなかったし。むしろ、親族はもちろん社員も皆大喜びしたくらいだった。
それを秘書室でも見聞きしていたから出た言葉でもあったのだ。
だから先ほど隼が見せた切な気な表情も、言い淀んでいた言葉も、私は気になりながらも自分の都合のいいように解釈してそれ以上深く考えることを放棄したのだった。
それなのに……。
私のキスに応えてくれた隼の甘やかなキスに酔いしれ身も心も蕩けさせられた私の唇からも身体からもそうっと放れていく隼。
隼によって、僅な衝撃も与えないように、そうっと優しくベッドに横たえられた私は、隼のことを名残惜しそうに、潤みきった眼でただ呆然と見つめていることしかできないでいた。
そこに、私の視線から逃れるようにして、私からすっと視線をそらしてしまった隼から、苦しげに声を絞り出すようななんとも切な気な声音で発せられた、
「侑李さんが僕のことを今すぐほしいと言って、僕の子供を身籠もってもいいと言ってもらえたのはとても嬉しかったんですが、僕は子供なんて欲しくありません。
結婚したいと思うほど好きな女性をこんな風に拘束して、散々イジメて悦ぶような、こんな欠陥品の僕の子供なんてもうけたら、子供が可哀想なだけです」
思いがけない言葉に、言葉を失ってしまった私の胸はぎゅうぎゅうと締め付けられてしまっていた。