鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 言われてみれば確かに、そんなことまだ考えたこともない。ましてや子供のことなんて。

 けれど、いずれ結婚するなら、隼以外の男性《ひと》となんて考えられないし。いずれ子供をもうけるとしても、相手は隼以外には考えられない。

 これまで隼は要所要所で私と結婚したいとか言ってくれてたけど。

 ……もしかして隼は違うの? 気が変わっちゃったの?

「そんなのまだ考えたことないけど、そんなのデキてから考えればいいでしょう? それに、私は隼とだったら結婚してもいいって思うくらい隼のことが好きだから問題ないじゃない。もしかして、隼は嫌なの?」

「そんな訳ないでしょう? 僕は今すぐにでも侑李さんと結婚したいって思ってます。けど……」

 一瞬、隼の気持ちが変わったのかと不安になったけれど、そうじゃないと分かり、私はホッと胸を撫でおろすことができた。

 なのにどういう訳か、間髪開けずにそう返してくれた隼は、今にも泣き出しそうな切な気な表情をしていて。何かを口に仕掛けているようだ。

 けれど、言い出しにくいことなのか、口にするのを躊躇い口籠もっているように見受けられる。

 それを間近で見ていると胸が締め付けられる心地がする。

 何を言おうとしているのか聞き届けたいっていう気持ちと、聞くのが怖いって言う気持ちとがしばしせめぎ合った結果。

 聞くのが怖いという気持ちの方が圧勝し。

 不安を蹴散らすためにも、隼の口から何かが出てくよりも先に、未だ切な気な表情の隼の首をグイと引き寄せ唇を奪い、舌では強引に隼の唇をこじ開け舌を絡め取り、深いキスに持ち込むことに成功した。

 始めこそ戸惑いを見せた隼だったけれど、私のキスにすぐに応えてくれて、いつものように隼の甘やかなキスに、やがて私の不安一色だった心も身体もとろとろに蕩かされていくのだった。

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