鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
「私だって、不安にもなるし、余裕なんてない。隼とおんなじように、苦しいし辛いし。いつか、隼が心変わりしちゃうんじゃないかって、怖くて堪らない。こんなにも誰かを好きになったのは、隼が初めてだよ?」
こんなにも必死でこんなにも余裕のない隼への、尽きることのない愛おしさと、母性本能。
隼にこんなにも好きになってもらえてるんだっていう、幸福感に優越感。
こんなにも愛おしい隼のことをもっともっと独り占めしたいっていう、独占欲。
勿論、そんな感情とは真逆の不安な気持ちだって尽きることはない。
そんな様々な感情が溢れてもう止まりそうにない。
隼が私のことを想ってくれているように、私だって同じ想いでいるんだってことを、伝えたい。知ってて欲しいーー。
そんな想いから出た言葉だったのに……。
私の言葉を聞くや否や、項に埋めていた顔を上げて、私の顔を後ろから覗き込んできた隼からは、
「……本当に?」
つい今しがた、余裕なんて全く持ち合わせていない私に余裕がある、なんて、とんちんかんなことを言ってきた隼らしい、疑心暗鬼に満ちた言葉が飛び出してきた。
いつもの私なら、きっと激怒していたことだろう。
けれども隼に身も心もすっかり惹きつけられて全てを囚われてしまっている私にとっては、隼のどんな言葉であろうと、愛おしいモノでしかないようだ。
こんなにも愛おしい隼の不安が少しでも解消されるなら、私はどんなことだって厭わないだろう。
そんな想いでいるんだってことを隼に全部全部教えてあげたい。何もかも全部全部分かち合いたいーー。
「うん。全部本当のことだよ? だから、全部、分け合いっこしよう?」
私の想いが少しでも隼に伝わるように、不安げに揺らぎ続ける隼の瞳を真っ直ぐに見つめ返した。