鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
右手の甲から始まって、左右関係なく、手首に肘に、二の腕に肩口に、首筋や項に、というように、色んなところを隼の形のいい柔らかで意地悪な唇が辿ってゆく。
その合間にも、甘やかな声音での言葉攻めも、絶え間なく降り注がれていた。
そんな状況だったから、羞恥をことごとく煽られてしまっている私の羞恥のピークは、もうとっくに限界を迎えていたのだ。
「侑李さん、どうしました? 月明かりでも分かるくらい、そんなに目を潤ませて、顔まで紅く色づけて。まだキスしかしていないのに、そんなに恥ずかしがることはないでしょう?」
そんな私は、もう何度目になるか分からない隼の言葉攻めに対して、辛抱堪らず、恨み言を零していた。
「……さっきからなんなのよ? ずっと敬語でばっかり話すから調子が狂うでしょッ! それに、焦らしてばっかりッ! もう、ヤダッ!」
そうしたら、今の今までえらく余裕たっぷりだった隼の様子が一変。
どういう訳か急に、ハッとしたように動きを制止させた隼が、何やらバツ悪そうな声音で。
「……侑李さんにずっとときめいてほしいからに決まっているでしょう? それに、こうでもして自分のペースを保っていないと、月明かりに照らされた侑李さんが綺麗すぎて、自分を見失ってしまいそうで、怖いんです。侑李さんに何かあったら、僕は生きていけないんだから、しょうがないでしょう? 笑いたければ笑ってください」
少々ヘタレなところのある隼らしい、可愛らしくも優しい本音が飛び出してきて。
最後には、開き直ったように拗ねた声音でなんとも可愛らしいことを言ってきた。
どうやらスッカリ余裕を取り戻したと見えてた隼には、余裕なんてモノはなかったらしいことが窺えて、たちまち私の胸がズキュンとときめいて、胸の中があたたかなモノで満たされてゆく。