【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
達したばかりの私がその余韻に浸って放心していると、足の裂け目で私のことを追い詰めていたはずの隼がすぐさま耳元に飛んできて。
「ゆっ、侑李さんッ、大丈夫ですか?」
焦った声でそう気遣ってくれる隼はえらく焦っているし、今にも泣き出してしまいそうだ。
おそらく、先ほどの、本能に突き動かされてしまった私の行動に火がついてしまった隼は、少々ムキになって私のことを追い詰めてしまったことで、身重の私に何か障りでもあったんじゃなかろうかと案じてくれているのだろう。
これまでもこういう場面は幾度もあった。そしてそのたびに毎回隼のギャップに驚かされてきたけれど。
アイドル並みの甘いマスクに鍛え上げられた逞しい体躯、女性をさりげなく気遣う優しい心遣い。
加えて、時々顔を出す甘えた言動に、ヘタレな言動。
ただでさえギャップがあるというのに、最近ではそれに、心配性までが加わった。
後から付け加えたものに関しては、どうやら私限定のようだし。
その何もかもが愛おしくて堪らない気持ちになる。
ーーこれからもずっとずっと隼にはそうであってほしい。
必死な隼の様子に、ふとこれまでのことを思い返してしまってた私は、隼の心配性を煽ってしまったようで。
「なんかずっとボーッとしたままですけど大丈夫ですか? もしかして、さっきの刺激のせいなんじゃ。あっ、今、香澄さんに連絡入れてみますのでちょっとだけ待ってくださいねッ」
隼がなにやら必死な形相で私に声をかけてきていたかと思えば、急に何かを思いついたように私の元から離れていった。
そこでようやく我を取り戻した私の視界には……。
細マッチョのいい年をした男がオロオロと狼狽えた様子で、自分の脱ぎ捨てたジャケットをまさぐってスマホを探しているという、なんとも滑稽な光景が映し出されている。