【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
そのすべてを頭から振り払いたくて、ふるふると頭《かぶり》を振って、気づかなかったフリをした。
どうせ、どんなに足掻いてみたところで、鬼畜の命令には背けないんだから、もう、なるようになってしまえ。
――別に、鬼畜の言葉を信じた訳じゃない。何もかも全部、酔ってる所為だ。
都合の悪いことを全部、酔っている所為にして、鬼畜にこれでもかというくらい鋭い視線を向けて、やけくそ気味に、
「そっ、そんなにいうならイカせてみなさいよ? その代わり、デキなかったら、もう二度と、こんなことしないからッ!」
またまた、そんな、鬼畜の思う壺な言葉を放ってしまうのだった。
それでもやっぱり、”不感症”だったらどうしよう、という不安が付きまとってしまうから、どうしても怖くて怖くて堪らないのだけれど。