【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 お陰で、不安は僅かに薄れたものの、なんとも悔しくて、恥ずかしくて堪らない。

 こんな状況に私のことを追い込んでおいて、まだ飽き足らないというように。鬼畜は、尚も私のことを、言葉でも追い詰めてくるのだった。

「こんなに可愛らしい侑李さんの姿が、もう見えなくなるのは非常に残念ですので。やはりさっきも言いました通り、少々心残りではありますが、愉しみは先に取っておくことにいたします。こういうことにあまり慣れていらっしゃらないようですし。今から僕が、たっぷりと時間をかけて、侑李さんの身体をじっくり丁寧に優しく解して差し上げます。おそらく、何度も気を失わせてしまうと思いますが、覚悟はよろしいですか?」

 けれど、この、鬼畜の放ってきた言葉の至るところに散りばめられた、少々引っかかるワードと、あまりにも自信たっぷりな物言いに、まんまとカチンときてしまった私は、

「さっきからなんなのよ? 『愉しみは先にとっとく』とか、『覚悟』とか、そんな講釈ばっかり垂れてないで、さっさとイカせなさいよ?」

またまた勢いに任せて威勢のいい声を放っていて。

 それに対して、間髪入れず返してきた、

「そんなに強がらないでください。僕がそう言ったところで、侑李さんは聞いてはくださらないようですので、侑李さんの素直な身体に言い聞かせて差し上げます」

鬼畜のこの言葉に、ますますカチンときてしまった私が、

「はっ!? バッカじゃない――ああっ!! イヤッ……ちょっと、そんなとこっ――あっ!ひゃぁんッ!?」

またまた勢い任せに放った私の言葉は、最後まで言い切ることは叶わなかった。

 何故なら、容赦のない鬼畜によって、男性にしては綺麗で、女性にしては長くて太い指を躊躇なくズプリと根元まで、一気に突き立てられてしまったからだ。
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