【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
そんな状態の私には、当然、”不感症だった筈なのに”とか、”不感症じゃなかったんだ”とか、そんなことを考えるような、余裕なんかすこっしもない。
でも、だからと言って、決して、気持ち良くて悦んでいる訳じゃない。断じて、神に誓ってもいい――。
これは一方的に、好きでも何でもないどころか、嫌いな部類に属する鬼畜によって、ただただいいように弄ばれているだけなんだから。
――こんなの、身体が勝手に反応してるだけで、全然嬉しくもないし、悦んでる訳でもない。
それなのに……。
「そんなに悦んでいただけると、僕も遣り甲斐があるというものです」
一体、何を勘違いしてしまったのか、私が悦んでいると勝手に思い込んでしまってる鬼畜が、耳元であんまり嬉しそうな声を出すものだから。
「だっ、誰が悦んでなんかッ。バッカじゃ――」
カッときてしまった私がえもいわれぬ強烈な快感に抗いつつ、直ちに反論を試みた言葉は、鬼畜に最後まで聞き入れられることはなかった。
「まだそんなことをいうような余裕があったんですか? それはいけませんねぇ? また、余計な心配をして、怖がったりしないように、余裕なんて、この僕が奪って差し上げます」
私の言葉に被せるように、フライング気味に、鬼畜が放ってきた勘違い発言に。
「ちょっと、何、訳わかんないこと言って、やめなさ――ひぃッやあぁっ!?」
ほとほと呆れ果てた私が鋭いツッコみを速攻で投げ返そうとしたにも関わらず。
またしても、その言葉は鬼畜に最後まで聞き届けられることはなかった。
それどころか、勘違いしたまま、余計なお節介発言まで繰り出してきた鬼畜によって、十二分に濡れそぼった秘所を指で強く刺激されてしまい。
おまけに、さっき、散々愛撫されて痛いくらいに敏感になってしまっている胸の弱いところに、激しく、食らいつくようにして含まれてしまっては……。
私はもう、余裕どころか、意識さえも、簡単に呆気なく手放してしまっていた。