【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
一瞬、眼の前に、火花が散ったのかと思うような強烈な閃光が走って、次の瞬間には真っ白な世界に包まれていた。
すぐに意識を取り戻すことができたものの、眼の前は霞でもかかったように薄ぼんやりとぼやけていて。
散々、鬼畜に喘がされた上に、鬼畜への文句のオンパレードで喉が渇いて、もうカラカラだ。
呼吸だって、すっかり乱れてしまっていて、肩で息をつきながら何度も何度も胸を上下させ、荒い呼吸を繰り返すことしかできないでいる。
そんな有り様の私に向けて、相変わらず私のことを組み敷いて見下ろしている鬼畜からは、
「すみません。僕としたことがムキになってしまい、少々やりすぎてしまったようです」
意外にも、申し訳なさ気な表情と、謝罪の言葉が向けられ。
余裕がないながらも、警戒して、身構えようとしていた私が思わず拍子抜けしそうになったところに、
「でも、すぐに気が付いたようで、ホッとしました」
鬼畜の放った言葉通り、ホッとしたような声が聞こえてきて。
鬼畜に眼を向けると、本当にホッとしたのか、安堵の息を吐いてから、ニッコリと、また、あのキラースマイルで微笑まれてしまい。
ちょうどそのタイミングで、霞がかかってぼやけていた視界がクリアになって、それを真正面からまともに喰らってしまった私は、不覚にも、ドキンと胸を高鳴らせてしまったのだった。