【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
……までは、よかったのだけれど……。
さすがは、噂とはいえ、前々から鬼畜と呼ばれていただけあって、私の言動を見届けた鬼畜が、なにやらまた、あのニヤリとした厭らしい微笑をチラリと覗かせたかと思えば。
「そうですか。それは安心いたしました。それでは、侑李さんの可愛いかったイキ顔をしっかりと眼に焼き付けるためにも、遠慮なく、今からたっぷりと、侑李さんの身体を堪能させていただくといたしましょうか」
言葉の端々に、なにやらたっぷりと含みを持たせるような、なんとも厭らしい言い回しをしてきた鬼畜によって、髪を掴まれ、真正面から鬼畜と対峙させられてしまい。
あの、鬼畜の冷たい眼差しで冷ややかに見下ろされてしまっては、身体が言うことを聞かず、またいいようにされてしまっては堪らないと、
「ちょっと、今度は何する気――んんっ」
なんとかして逃れようとして放った言葉は、鬼畜の形のいい冷たい唇によって、唇もろとも強引に奪われてしまっていた。
息をつかせる余裕さえも与えてもらえない、愛情の欠片もない冷たいキスが、角度を変えて、深まるにつれて、意識と身体とがまた蕩け始める。